イトウタカシの日常

RSS     Archives
 

少し重いお話。

 
ときどき思い出すことがある。
ボクが新卒で入社した会社。
今はどうかわからないがその頃は、とても体育会系の会社だった。
その新入社員研修で、自衛隊に体験入隊ってのをやらされた。
みんなでバスに乗って、確か御殿場の駐屯地まで歌を歌いながら行った。
歌と言っても、士気を高めるために社歌と軍歌だ!
それを1人ずつ順番に歌っていくのだ。
ボクは、そのとき(エラい会社に入っちまったなあ)と正直思った。
でも、その気になればそれはそれで楽しめた。
で、同じ名古屋出身のOくんに順番が回ってきたとき、
彼は何を考えたか『ふたりを〜・・・シアワセだなあ・・』っと、
この状況でこの歌を・・・。ボクは、彼の度胸とマイペースぶりに驚愕した。
・・・当然バスの中にはシラケた空気が流れ、
引率の総務の社員は、苦虫を噛み潰した表情で彼を見ていた。

研修中もなぜかOくんと同じ班になり行動を共にすることになった。
で彼は、バスの中であんな歌を歌ったのでふざけたヤツだと、
思っていたのだが、とても真面目でシャイな男だった。
彼は、ホントは電気関係の会社の入りたかったんだけど、
オヤジさんの勧めでこの会社に入ったとか、
今も夢は捨てておらず、将来は必ず電気屋を起業するのだとゆー
強い意志を持っているとか、
ボクも、会社はどこでも良かったけど、将来はデザイナーとして
独立できたらいいなと思っているとか、とか、
いろいろ話をした。

研修も
ボクは、テキトーにやってたんだけど、
Oくんは、一生懸命に取り組んでいた。
たとえば、『夜回り当番』って夜駐屯地を異常がないか見て回るんだけど、
ボクが「そんなん、異常なんかありっこないから休んでよ!」と、
Oくんは「イトーくん、それはダメだよちゃんとやらなきゃ」
「じゃ、Oくん回ってきて、ボク、ソコの自販機でコーヒー飲んで待ってるわ」
「わかった、じゃあ回ってくるよ」
しばらくして彼は戻ってきた。
「異常なし!」
ぼくは、笑いをこらえるのに苦労した。

こんなOくんとなぜか気があって、
研修の終わり頃にはスッカリ友だちになっていた。
そして彼がヘンなことを言った。
「ぼくは名古屋に決まっているから
 名古屋に来ることあったら飲もうな」
ボクが、「えっ、東京と大阪じゃないの?みんな?」
「いや、ぼくは名古屋で配属決まっているんだ」

そして、1年が経ちボクは渋々名古屋に来た。
Oくんは忙しそーに働いていた。
「Oくん!久しぶりだなあ」
「よお、イトーくん名古屋来ちゃったんだ」
「ああ、なんかオモシロくないけどな来てやったわ。ハハハッ」
「フフフよろしくな、今度、飲も」
と言った彼の表情が少し暗かった。

それからしばらくしてボクは、独立した!ってか会社をヤメた。
Oくんとは会社をヤメた年の秋に会った。
「イトーくんは、イイなあ、自由でうらやましいよ」
「そんなことないよ、コレでもけっこう大変なんだよ」
「ぼくもそのうち電気屋やろうと思って勉強してるんだ」
「おお、Oくんなら出来るよ真面目だしな、しっかりしてるしな」
「でも、いろいろ問題もあってさ・・・」
「ダイジョウブ!ダイジョウブ!Oくんなら」

・・正月。会社が始る朝。Oくんは自らの命を絶った。
彼が将来に活かそうと思っていた電気を使って・・・・。

後でわかったんだけど、彼はオヤジさんのカンケーで会社に入ったので
簡単にはヤメるとゆーことが言えなかったこととか、
業務がとても大変で休みがあまり取れなかったこととか、
シゴトの愚痴を聞いてくれる同僚が周りにいなかったとか、
その他にもいろいろ悩みを抱えていたみたいだ。

ボクは、あの時なぜもっと真剣に相談に乗ってやらなかったんだろうと、
何も解決できなかったかもしれないが話を聞くくらいは出来ただろうと、
自分の不甲斐なさを悔やんだ。
そしてその時、Oくんの分まで自分のやりたいことを
精一杯やり続けようとボクは、心に誓ったのです。

スポンサーサイト

Comment


プロフィール

taquantaquan

Author:taquantaquan
シアワセにつながることが行動の基本です。美味しいものを食べたり楽しいところへ行ったりする事も大好きです。だから毎日頑張ってます!






検索フォーム



ブロとも申請フォーム

QRコード
QR