イトウタカシの日常

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林先生

 
あれは10年ほど前になるかと思うんが、
いつものように藤が丘の駅前を歩いていると、
向こうから60代後半かと思われる男性が歩いてきて、
ボクとすれ違った・・。
アレェ〜どこかで会ったことがあるぞ〜??
“おっ、もしかして、林先生?”
林先生とはぼくが高校の時の数学の先生だ。
まあほぼおじいさんになっているが、当時の面影がある。
林先生はボクには何も反応しない。
当たり前だよね何千人もいる卒業生の1人だ、
ましてやこんなヒゲのおっさんに見覚えがあるはずがない。
しばらくして、また藤が丘近辺で遭遇したので、
いけないとは思いながら、こっそり後をつけてみた。
そして、林先生と思しき老人は藤が丘駅にほど近い、
お家に入って行った。表札には『林』・・間違いなかった!
林先生はキョウレツな先生だったので覚えていたのだ。
いや、当時の先生は今ならゼッタイ問題になるような、
ユニークな人多かったなあ・・・。
たとえば、資本主義のページは30分ほどで済ませ、
えんえんと社会主義の授業を続ける社会科の先生とか、
第二次世界大戦の頃の日本共産党の素晴しさを
涙ながらに語る倫理の先生とか、
アッチの世界の人かと思ってしまういつも竹刀を
担いで指導する体育の先生とか・・。
林先生はとゆ〜と、コレがスゴくて、
確か当時授業時間は45分だったと思うんだが、
林先生は、初めての授業の時ボクらにこう言ったのだ。
「ハイ、え〜私タバコ我慢できないんですねえ」
「え〜30分我慢しますとですねえ手が震えてくるんですねえ」
「え〜そして、授業どころではなくなるんですねえ」
「え〜ですからキミたちに迷惑をかけてしまいますので」
「30分経ちましたらタバコ吸わせてもらいます」
「ハイ、それでは授業を始めます」
スゲェってちょっとビックリしながらも、
数学の授業は始まった。そして30分が経った頃、
「ハイ、それでは例題を解いて下さい」
「私はここでタバコ吸わせてもらいます」
で窓を開け背広の内ポケットからタバコを取り出した、
いかにもニコチンの多そうなタバコだ。
もう例題を解いてる場合じゃない。
かすかに微笑みながらタバコをくわえ、
マッチで火をつけた。
40年以上前の話だが教室で火をつけ、
タバコを吸う教師を見るのはもの凄いインパクトがあった。
しかし、衝撃的だったのはココからだ!
林先生は、ホントに美味しそうに、
“スゥ〜”っとタバコの煙を吸い込んだかと思うと、
まるでこの世にタバコ以外美味いものが無いような顔をして、
そのまま2,3秒息を止めて味わい、
そして至福の時を過ごしたように、
“フゥ〜”っと息をはいた。
次の瞬間ボクはとんでもないものを見てしまった!
な、なんと林先生の口からは白い煙が出て来なかったのである!
吸い方が強いので、1本のタバコは4回ほどで根元までなくなった。
でも毎回はく息は白くないのである。
うわ〜〜っこの人タバコ食べてるぅ〜〜!!
それからとゆ〜もの数学タバコの時間が楽しみでならなかった。
同時にこの人はゼッタイ長生きできないぞって思ったね。
その予想は見事にはずれたけどね(林先生ゴメンナサイ)
もうそ〜だね80才くらいになられるのかなあ・・・。
最近もお見かけしたのだか矍鑠としておられる。
たぶんこんなコトが許されたのは林先生がわかりやすい教え方をする、
キチッとした先生だったからだろうね。
タイミングがずれて未だにご挨拶が出来てないが、
今度思いきって聞いてみよかなあ、
「林先生、今もタバコ食べてらっしゃいますか?」




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Author:taquantaquan
シアワセにつながることが行動の基本です。美味しいものを食べたり楽しいところへ行ったりする事も大好きです。だから毎日頑張ってます!






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